2,3冊目も読んだので投下。

「パンツで始まる世界革命」
MMOっぽい異世界にトリップしちゃった系の小説。
特徴的なのはステータスが見えるのと主人公が変態紳士な点か。
完成度自体はわりと秀逸。
服飾文化の発展のない世界でパンツを作るために帰還そっちのけで爆走するアホな欲望持ちだけど紳士で頭の切れる高校生が頑張る話。
いや、服飾文化って割とまじでバカにできないんだよってのを分かってる人が書いてる感じがいいね。
主人公のほうも欲望と発想と話術が上手いこと噛み合って
でかい無理もなくすんなり動いてるし。
相手の欲しいものを正しく推察し、手札を切り、交渉をまとめる。普通に交渉者としては巧みだよ、この主人公。
若干話の流れが上手く行き過ぎってのはまぁご都合主義ってことで。
もう一人の現実に帰りたい主人公が真面目に戦ってるのも
意見の相違というか、双方の対比としてわかりやすかったし。
途中でプロジェクトXみたいな感じで町がダイジェストで発展していくのには不覚にも笑いがこぼれたけど、1冊完結で書くならむしろうまくまとめたと賞賛するべき部分だと思う。
レビューを何件か見て、酷評してる人が多かったですが、
短編小説なら買ってもいいレベルのできだと思います。
まぁ昔と比べればラノベの質が落ちたってのは否定しないけどさ。
質って言うか求めるモノがかわってきたって言った方がいいのか。
ここで言及することでもないのでレビュー終わり。

3冊目
「マカロン大好きな女の子がどうにかこうにか千年生き続けるお話」
連作短編集
短編集であることを生かした上手い作品。
程よくまとまっていて、きちんと全部の作品が何だかんだでゆるーく繋がっている。
地味に円環構造で繋がっていて、まとめ方が個人的には好みかな。
ゆるーい文体に深いテーマを染み込ませた味のある作品。
ただ、まぁなんというかゆるい文体もあって絵本とかの方がいいんじゃないかな?
という印象を受けた。
この手の作品は昔の絵本とかに近い何かを考えさせられるね。
絵本なら子供に読ませてみるってのもありじゃないかな。
若年寄りが考察ついでにレビューする内容でもないので詳細は割愛。